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LuLuLu Blogこんにちは 高知初のシェアハウス&ゲストハウス支配人のタローです
宿は「待つ」のも仕事 お客さんを待っている間に読書 線を引き引き読んでます
さて、今日の本は・・
選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
河合香織
【大宅壮一ノンフィクション賞(第50回)】【新潮ドキュメント賞(第18回)】現在の母体保護法では障害を理由にした中絶は認められていない。誤診で提訴した母親に病院側はそう反論し…。家族とは? 生きるとは? 出生前診断を巡る様々な当事者たちの声から紡ぐノンフィクション。
表紙にもあるとおり、出生前診断の誤診によりダウン症として生まれてきた子とその母の話。
出生前診断により「異常なし」と言われていたにもかかわらず、ダウン症の子どもが産まれてきた
原因は医者の単純なミス
その子は生まれてからも病院の治療室で、ただただ苦しいままの数ヶ月の生涯を終えた。
両親は中絶をする(かもしれなかった)権利を奪われたことに対して医者を訴え、子どもは(もちろん両親が替わって)「生まれてこない権利」を奪われたことに対して争った。
この「生まれてこない権利」という概念が衝撃的
生きることは素晴らしいと思うし、ダウン症でも幸せに暮らしている人も家族もたくさんいると思う。でも、自分がこの子だったとして、もし言葉が喋れるとしたら、本当に生まれてくることを望むのだろうか・・・
最初に、この裁判の概要を聞いただけだと、ダウン症ってだけで不幸と決めつけて・・と、どちらかと言えば悪い感情がわいたが、本を読んでみると、そんな単純な話ではないことに気付かされる
このお母さんの葛藤もよく分かるし、日本の法制度の矛盾もよく分かった
とてもとても考えさせられる1冊でした
さて、私が読んでいて気になったベスト3 フレーズです
障害を持っている生と、中絶によって生まれなかったことが比較され、生まれたこと自体が損害にあたると主張するのだ。彼の訴えである「生まれてこない権利」は認められ医師に損害賠償命じた
生まれたことが損害・・・
通常は、生を受けて、実際に生きる中で不都合が生じたときに、損害が発生すると思いがちだが、こういう風に考えざるをえない立場もあるとは・・・
自分が、これまでの人生で考えもしなかった比較に、読んだとき一瞬言葉を失った
中絶は、あくまで母体の健康を著しく害する場合にのみ認められているのだ。障害を理由とした中絶を日本の法律は認めていないのが建前である。しかし実際には建前に過ぎない。中絶には本人と配偶者の署名捺印をした同意書が必要となるが、理由を本人が書く欄さえない。
しかし、現在の日本では、経済的な理由により中絶をすることは認められている
もちろん中絶を希望するに当たり、所得証明などを求められることはない
通常は、建前として経済的理由により・・ということになっているらしい
でも、医学の発達により、出生前診断は可能となっており、実際に多数行われている
そして、その結果により中絶をする人は一定存在する
矛盾した制度と現実
でも、白黒を付けないという決着もあるのかもしれない
幸不幸なんて主観的で、争うものでも主張するものでもないのに、マイノリティーは無理に戦いたくもない土俵に上げられて「幸せです」と言わされているのです
決してそんなつもりはないけど、健常者は障害者などに対して、こういう風に言わせている面があるんだろうなと思う
というか、そう言って欲しいというか・・
幸せかどうか、言わせる必要など無いのかもしれないね
というわけで、今回の気になる大賞ベスト3フレーズはいかがだったでしょうか?
今回はなかなかヘビーな内容で、かなり力の入ったノンフィクション作品でした
でも、非常に読みやすい本でした
知らなかったことや、考えさせられることが多数あり、線を引きまくりました!
気になる方は、ぜひルルルまでお越し下さい ルルル文庫に読書済み本を置いてます
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